デュロック豚とは?その特徴と美味しさの秘密を紹介

デュロックという言葉を聞いた事はありますでしょうか?

デュロックとは、世界に存在する300~400種類の豚の中で、日本で飼育されている主要な品種(豚種)の名前の一つです。

豚肉は、この豚種ごとに肉質・脂の香りなどが異なり、その特徴は食卓に彩りを添える重要な要素となっています。

その豚種の中でも、デュロック豚は、2020年頃からその肉質の良さと豊かな脂の風味が注目を集めており、タレントの所ジョージ氏が紹介するなど美食家たちの間で絶大な人気を誇っています。

本ページでは、そんなデュロックの特徴やその美味しさの理由をご紹介します。


デュロック種とは

現在のデュロック種はアメリカ発祥の豚種で、ニューヨーク州の赤色豚でデュロックと称されていた豚種と、ニュージャージー州のジャージーレッド種との交配によって生まれました。昔はデュロック・ジャージー種と呼ばれていたようですが、現在はデュロック種と短く呼ばれています。

デュロック種の体格は?

デュロック豚は胴回りとモモが大きく、充実した身体は頑丈で、病気になりにくいという特徴があります。
また体格も良く、体重が300㎏から380kg程度まで育ちます。
一般的な豚の平均体重が200㎏から300㎏なので、その大きさが良く分かりますね。
大きな身体の中でも特に胴回りが太く、1頭からとれる産肉量が他の一般的な豚よりも多いのも特徴です。


デュロック種の繁殖能力は?

デュロック種の繫殖能力他の豚種と比べると少し劣ります。
1頭から生まれる頭数で見ると、ランドレース種と大ヨークシャー種が10頭程度なのに対し、デュロック種は8頭程度です。また、1頭から生まれる子豚の総体重においても、他の豚種平均が60㎏程度であるのに対し、デュロック種は45㎏弱です。
体格が大きいことから1頭からとれる肉の量は多いものの、生産性を考えると養豚の対象としてはやや手を出しにくい豚種かもしれません。

デュロック純粋種とは?

デュロック種の中でも、そのデュロックの美味しさを追求したのがデュロック純粋種です。
次のセクションからは、純粋種とはなんなのか。デュロック純粋種の肉質と、その美味しさの秘密とは何か。そして、なぜデュロック純粋種が希少なのか?
それらを掘り下げてみたいと思います。

そもそも純粋種とは?

豚の純粋種とは、2種類以上の豚種が掛け合わさっていないもの、ひとつの豚種だけで掛け合わせて生まれてきたものの事を指します。
また、掛け合わせる個体をより、上質なものを選ぶことで、もともと持っている良い特徴を伸ばした純粋種へと改良されていくのです。
では、デュロック種の伸ばすべき特徴とは何でしょうか。
次のセクションから、具体的なポイントをひとつずつ見て行きましょう。

デュロック純粋種の肉質は?

サシの入った肉質
デュロック純粋種の肉質の特徴としてもっとも分かりやすいものが、サシです。
サシとは、脂が網の目のように細かく肉の間に入った状態(霜降り)の事を言いますが、デュロック純粋種は、まさにこのサシが入っている肉質を持っているのです。
筋肉にもサシが入っているため、柔らかでありながらも、しまりがあり、しっとりと弾力があります。

豊富な脂肪含有量
デュロック純粋種は特徴のひとつとして、他の豚種と比べて脂肪含有量が豊富であるという点が挙げられます。
もともと豚肉は牛と比べて脂が少なく、和牛の脂肪含有量が30%から40%ほどあるのに対し、豚肉は2%程度が平均です。
そんな中で、デュロック純粋種は4%から5%程度の高い脂肪含有率を持っていて、豚肉の中でもトップクラスなのです。
これらはより上質な脂肪を求めて、デュロックの純粋種を掛け合わせていった結果と言えるかもしれません。

保水性に優れた肉質
デュロック純粋種は保水性に優れており、水分量も豊富です。これにより加熱処理した後でも肉内にしっかりと水分が残り、溶け出した脂と合わさって肉汁となって溢れ出てきます。
加圧保水性試験においても、一般豚肉が77%前後であるのに対し、デュロック純粋種は83%前後となっており、肉内の水分量がより多いことが分かります。



柔らかな歯ごたえを持った肉質
全体にサシが入っている事と、保水性に優れて水分量が多い事から、デュロック純粋種の肉は柔らかい歯ごたえを持っています。また、赤身の肉でも柔らかく、適度な脂と肉汁を楽しむことが出来ます。

美味しいと評判なのにデュロック純粋種が希少なわけ

そんなデュロック純粋種ですが、美味しいと評判であるにもかかわらず、そのお肉を手に入れるのは少し難しかったりします。
体格が良くて食べるお肉になる部分が多く、肉質も良くて美味しいとなると、それだけで生産者の方もやっていけるのでは? と思ってしまいます。
ですが「デュロック種の繁殖能力は?」のセクションでもお伝えした通り、デュロック種の繫殖能力は他の豚種と比べてやや劣っており、一般的な豚種を飼育するのに必要な労力と同じ労力ではデュロック純粋種の繁殖頭数がしっかりと確保するのが難しく、純粋種だけで経営していくとなると採算が合わないことが多いのです。
そのため、取り扱う牧場が少ないのが現状です。
また、デュロック純粋種としてよりも、デュロック種を掛け合わせた交雑種にする方が繁殖能力の低さをカバーすることが出来るため、より一層、デュロック純粋種を扱う牧場が少なくなってしまうのです。

 

デュロック種を掛け合わせた豚

デュロック種を掛け合わせた豚肉といわれても、ピンとこないという方がいらっしゃると思いますが、実は、デュロック種を掛け合わせた豚肉はよく見かけることができます。
皆様は「三元豚」と言う言葉を見聞きしたことは無いでしょうか? よくスーパーでも販売されていると思います。

その「三元豚」は3種類の豚種の血を受け継いだ豚の事を指しています。
実はこの中に、デュロック種が掛け合わされていることが多いのです。

たとえば、三元豚の主流となる組み合わせでLWDと呼ばれるものが有ります。
これは、繁殖能力が高く、泌乳量の多いランドレース種(L)と、こちらも繁殖能力に優れ、一回での産頭数が多い大ヨークシャー種(W)の2種を掛け合わせてできた豚に、産肉量が多く肉質が良いデュロック種(D)を掛け合わせたものを、頭文字をとってLWDと呼んでいます。

 



つまり、このようにデュロック種を含んだ豚肉が皆様のお手元に届いているケースがあるのです。

 

止め雄としてのデュロック種

複数の豚種を掛け合わせてより良いものを生産する中で、最後に雄豚を掛け合わせ、その特徴をより強く引き継ぐことを目的とした手法を「止め雄」と呼びます。
LWD以外の三元豚や他の交雑種でも、デュロック種がこの「止め雄」に選ばれることが多くあります。
その理由は、止め雄としてデュロック種を最後に掛け合わせる事で、肉質の良さと体格の大きさが子供に影響し、1頭からとれる肉の量と質を上げることができるからです。
こういった意味でも、デュロック種は多くの生産者に必要とされている豚種だと言えますね。

デュロック種が良く使われる料理

デュロック純粋種は綺麗に入るサシと、保水性の高さ、しつこくない脂質などの特徴から、とんかつやしゃぶしゃぶ、ローストポークなどの料理に良く用いられます。
また、加工食品に用いられることも多く、うま味がギュッとつまった、あらびきウィンナーや生ハムとしてもその美味しさを堪能することができます。

方波見牧場のデュロック純粋種「やまの華豚」の特徴

デュロック純粋種のみを飼育する牧場が少ない中、方波見牧場はそのデュロック純粋種を飼育しています。
より良い血統を掛け合わせることで、最高のデュロック純粋種を目指しています。
また、飼料や飼育方法にも工夫を凝らしています。
そうして方波見牧場で育てられたデュロック純粋種は、ブランド豚「やまの華豚」と名付けられました。

 

飼料

豚たちの腸内環境を整えられるよう、飼料にもこだわっています

豚たちの腸内環境を整えられるよう、飼料にもこだわっています

やまの華豚に与えられる飼料は、生後1週間はしっかりと母乳を与えて免疫力をつけます。
そして生後45日間は母乳と人工乳を併用して与え、その後は穀物を中心とした飼料に河内菌(種麹)を使った発酵飼料を加えたものを与えています。
これによって腸内環境も整えられ、健康に育つのです。

 

飼育方法


広々とした牧場がストレスを軽減します

やまの華豚は飼育方法も珍しく、なんと放牧をしています。
自然の中でのびのびと生活することが出来るのでストレスフリーで、走り回ったりすることで足腰も強くなり、健康に育ちます。
また、豚は泥遊びが大好きです。泥浴びをすることで菌や寄生虫から身を守ったり、自分で体温調整をしたりするのですが、放牧であればこの泥浴びを充分にすることが出来ます。
さらに、兄弟ごとに放牧をしているため、ストレスもほとんどなく元気に育ちます。
もともと豚は家族でグループを組んで育つのですが、そういった本来の状態により近い環境で育つことで、よりストレスは無くなり、心身ともに健康に育つのです。

ストレスは人間と同じで豚にとっても大きな問題です。
「しっぽかじり」というストレスが原因で起こる問題があるのですが、飼育中の豚が他の豚のしっぽをかじってしまい、そこから菌が入ってしまったりして最悪の場合死んでしまうこともある大きな問題です。
ストレスフリーな環境で飼育するという事は、こういった問題が起こらないようにするための予防策でもあるのです。
方波見牧場では、放牧されている豚たちが元気に走り回る姿を見ることが出来ますよ!

 

やまの華豚の肉質は?


綺麗なサシが入った肉質は、どの部位でも美味しくいただけます

綺麗に入ったサシはどんな部位でもしっかりと美味しさを感じていただけます。また、ナッツのような甘い香りの脂はしつこくなく、サラッとした良質の脂です。
デュロック純粋種としての高い保水性が加熱調理したあともしっかりとジューシーさを保ってくれるため、とんかつやローストポーク、それ以外にもどんな料理でも美味しくご賞味いただけます!


デュロック純粋種を購入する方法は?

デュロック純粋種の生産者が少なく希少性が高いことからも、デュロック純粋種の豚肉を購入する方法は少ないのが現状です。
スーパーや肉屋で手に入れることも難しく、基本的にはネット販売がほとんどです。
提供する料理の素材として扱っている飲食店も有りますが、決して多くはありません。

ここではデュロック純粋種を食べられる飲食店と、ネット販売されているものを皆様にお伝えしたいと思います。

デュロック純粋種の料理を味わえる飲食店

デュロック純粋種を料理として提供しているお店はそれほど多くはありません。
東京にあるお店になりますが、4店をご紹介したいと思います。

 BUTAYA THE DINING

「やまの華豚」を使ったコース料理などをご注文いただけます。
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13214366/

新宿とんかつ さぼてん

スペイン産の純粋デュロックポーク「SaboRED」を提供中。
https://shinjuku-saboten.com/duroc-pork/

晴のちカツ

「富士デュロック」のとんかつをご注文いただけます。
https://nsg-go.com/harekatsu/

白金三代目 豚タツ

「伊達の純粋赤豚」のしゃぶしゃぶなどがご注文いただけます。
https://retty.me/area/PRE13/ARE14/SUB1401/100000228827/

デュロック純粋種の精肉、加工食品を購入できるサイト

デュロック純粋種は、生ハムやベーコンなどの加工食品としても良く使われています。
もちろん精肉を料理しても美味しくいただけます。
ネット通販で購入できるサイトを3つ、ふるさと納税として利用できるサイトを2つ、ご紹介いたします。

方波見牧場オンラインショップ

方波見牧場のデュロック純粋種ブランド豚「やまの華豚」を購入いただけます。
https://katabami-duroc.shop/collections/yamanohanabuta

イブファーム しあわせ工房

イブファームのデュロック純粋種ブランド豚「すさみ豚」を購入いただけます。
https://umebuta.com/susamibuta/

伊豆沼農産公式オンラインショップ

宮城県の系統豚「しもふりレッド」を純粋交配したブランド豚「伊達の純粋赤豚」を購入いただけます。
https://www.izunuma.com/SHOP/307186/list.html

ふるさとチョイス

ふるさと納税でデュロック純粋種を選んでいただけます。
https://www.furusato-tax.jp/?header

楽天ふるさと納税

楽天市場でふるさと納税ができます。こちらでもデュロック純粋種を購入できます。
https://tinyurl.com/285plyxe

⦁ ふるさと納税のサイトでは、検索欄に「デュロック純粋種」や「デュロック」「純粋」と入力していただくことで、ある程度商品を絞り込めますが、実際にデュロック純粋種かどうかは商品のページを開いてご確認ください。

参考 全国養豚協会. 2016年11月30日閲覧。
http://www.gunmanooniku.com/mame/buta_hinsyu.pdf

 

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